5/17/2009

開国博Y150+


 4月28日から、横浜で「開国博Y150」というイベントが始まった。今年2009年、横浜は江戸時代の鎖国から開国へと政策転換がなされる中で開港地と指定されて150年を迎えた。

 横浜では開港以来、50年の節目毎に盛大なお祝いを行ってきた。開港50周年では横濱開港記念会館が建てられ、開港100周年ではマリンタワーが記念として建てられた。今回の開港150周年では、「開国博Y150」というイベントが繰り広げられる。詳細は公式ホームページを参照願いたいが、それにしても横浜のまちで「開国博」といっても何をやっているのかわからないという声をよく耳にする。会場がどこなのかもわからないということも耳にする。いずれの意見もその気になればいくらでも知る手だてはあるのだが、市内にいるときのそのような空気は大事ではないかと思う。知らなくても話を耳にするとか、横浜市民なら誰もが知っているというイベントでなければまちを挙げてのお祝いとは言えないんではないかと思うのである。

「開国博」が何をターゲットにしているのかもいまひとつわからない。スーパーハイビジョンシアターだったりアースバルーンなど、楽しみながら今はやりの環境やエコロジーを考えさせるアトラクションもあるが、それのどのあたりが開国なのだろう。横浜というまちが開港後150周年を迎えたということを今一度考えるということであれば、開港や文明開化のみにスポットを当てるのではなく、震災や空襲の爪痕、接収のまち、華やかな港町の繁栄などについてもっとフューチャーされるべきではないだろうか。「開国博」が観光を目論んでおり、都市型の博覧会だというのであれば、蜘蛛のハリボテをもってくるのではなくて、横浜の持つ魅力を引き出すような仕掛けにするべきだ。そして横浜に住むひとにとっては次の50年を考えるきっかけとなるものでなければならないはずである。