4/01/2008

アーサー・C・クラークに捧ぐ

いささか前のことになるが、2008年3月19日に英国人の作家であり、科学者でもあったアーサー・C・クラーク氏が亡くなった。クラーク氏と言えば、故スタンリー・キューブリック監督の1969年のSF映画「2001年宇宙の旅」の原作者として有名だが、衛星通信技術の提唱者、宇宙技術の解説者としても偉業を残している。

氏は常に先進的なマインドを持ち続けていた。1999年9月のエスクヮイヤ日本版でインタビューを受けており、その中では人工知能の可能性について言及している。「機械が意識を持ちうるか」という命題に対して、「完全に可能だ」と返答している。
「炭素製のマシン(=人間)とシリコン製のマシンに本質的な差はない」というのがその根拠であるが、その実現にはまだまだ時間がかかりそうだ。また人間の意識の生成には、肉体の存在とその成長が多大な影響を与えうるということを鑑みると、人工知能にどのような意識が持ちうるのかということは謎であろう。
また脳のはたらきをシュミレートすることで人工知能を生成するという研究は実際に行われているが、そのアウトプットに意識が含まれるのか、それとも単なる計算結果に過ぎないのか、その分析が困難であることも予想される。
「2001年宇宙の旅」の中で人工知能コンピュータ「HAL9000」へインタビューするシーンがある。その後で同じインタビュアーが、HALと一緒に宇宙探査を行っている宇宙飛行士に対し「HALには意識があると思いますか」という質問をするが、「誰にもわかりません」と答えている。

クラーク氏の偉業はその作品世界がSFというジャンルにありながら、現実世界に影響を及ぼし続けたということに見ることもできる。特に映画「2001年宇宙の旅」はその映像の完成度もあって、未来のビジョンを明確に示したと言えるだろう。クラーク氏なき今、未来のビジョンを示しうる作家は現れるだろうか?

来るべき人工知能の出現を待たねばならないのだろうか。

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